シニア(70-80歳代)に必要な資金は、生活資金のほかに施設入所の費用、自宅のリフォーム費用や子ども達への生前贈与など様ざまあります。
また、昨年からは物価の上昇が際立ってきましたので、生活資金も従来以上に必要になると思われます。
今回は、リバースモーゲージについて学んで必要な資金を確保する方法を考えてみましょう。
シニア期に必要資金
70歳~80歳になると必要な資金も少なくなると思われがちです。
しかし、アクティブシニアとして前向きに90歳代、100歳を目指すとそれなりの資金が必要になります。
以下に「リバースモーゲージ」で充当できる必要資金項目を挙げてみました。
・老後の生活資金
・介護費用、有料老人ホームへの入所費用(一時金)
・自宅のリフォーム費用
・子どもや孫への生前贈与資金
・趣味や旅行などの費用
・住宅ローンの残債の返済資金
老後の生活資金や趣味・旅行の費用は、年金や老後資金として積み立てた預金などの取崩しされているのが普通です。
それ以外の有料老人ホームなどへの入所費用や、住宅のリフォーム費用、子どもや孫への生前贈与資金などもあります。
そこで、リバースモーゲージについて、どのようなしくみと手続きなのか見てみましょう。
リバースモーゲージ(逆抵当融資)とは
リバースモーゲージとは、高齢者が所有する不動産(自宅)を担保として借入を行う制度です。
通常ローンは元本を毎月返済しますが、逆に毎年借入をして最後に(死亡時など)に一括返済する制度です。そのため、逆抵当融資(リバースモーゲージ)と名付けられています。
返済は、本人が返済をする場合や担保提供した不動産での返済があります。
他に相続人による返済か不動産処分に委ねることもあります。
昨今、長寿命化により老後資金が思った以上にかかるという現実があります。
そのような背景もあり、以前より多くの金融機関がリバースモーゲージを取り扱い始めています。
また、住宅ローンの未返済分をリバースモーゲージに切り替えて、ローンの返済を先送りすることも行われています。
ただし、リバースモーゲージは資金使途設定プランとフリープランがあります。
フリープランの場合も、事業資金や投資資金としての利用は除外されます。
申込から融資までの流れ
金融機関によって手順などの違いはありますが、申し込みから融資完了までは以下のような流れで行われるのが通常です。
① 申し込み 融資までの手順の説明と資金使途などの確認を経て申し込みをする。
② 審査 対象物件(自宅)が融資できる物件かどうか、相続人関係、資金使途、本人の年金額、
資金使途などを審査項目です。通常は1ヶ月前後で審査結果が分かる。
③ 契約 融資限度額と利息の支払い条件を決め、融資限度額に応じた根抵当権を設定される。
相続人がいいる場合は、相続人の同意を得て契約が成立する。
④ 融資 毎年融資、一括融資など、融資を受ける側のニーズに合わせて融資が実行される。
⑤ 返済 本人や相続人による一括返済のほか、売却による一括現金返済、本人死後に金融機関による返
済も可能である。
リバースモーゲージは資金が切迫してから申し込むよりは、判断力が衰える前に資金の枠を設定しておくという意味があります。
審査の結果、契約と根抵当の設定が終わっても、即融資を受ける必要のない場合も多くあります。
その場合は上記のような融資枠の確保ということになります。
また、長期の場合は、途中で担保物件の評価見直しをされる場合もあります。
どのような場合にリバースモーゲージを利用できるか
リバースモーゲージには、制約があるので利用しやすい場合と難しい場合もあります。
以下のような場合は利用しやすいと言えます。
・本人夫婦に子供がなく、相続人は配偶者だけの場合。
子どもは常に相続人になるため、子どもがいる場合は子どもの同意が必ず必要になります。
・本人が融資限度額に見合う物件(自宅)を所有していること。
物件の評価額の50%~60%程度が融資限度額とされているようです。
・金融機関によって基準は異なりますが、本人の年金受給額が120万円~150万円以上とされます。
・従来は戸建て住宅が優先されていましたが、最近はマンションも対象となるようです。
ただし、マンションの場合は立地と評価次第になります。
その他留意事項
リバースモーゲージを利用する時には、次のような点に留意する必要があります。
・自宅のエリアにリバースモーゲージを扱う金融機関の支店などがあるどうか。
リバースモーゲージの取り扱いは関東の都市部が中心になっていました。最近は関西の地方銀行でも扱う
支店が増えています。
・金利の支払い方法と利率
利息は毎月払いと返済時に元金と一括払いもあるので確認が必要です。
また、利率は固定金利と変動金利があります。
金融機関によってそれぞれ違うのが通常ですから、最初に確認が必要です。
・特に毎年融資の場合は、長生きした時には融資限度枠に達してしまうことも起こり得ます。
事前シミュレーションでよく見極めることも大切です。
・住宅ローンの残をリバースモーゲージ切り替えた場合は、団体生命保険に加入できなくなります。
この場合には保険についての改めて考える必要があります。
まとめ
長寿命化や物価の上昇が続くことも予測され、その対策が必要な時代になりつつあります。
一方で、まだまだ元気で豊かなシニアライフへを過ごすための資金が必要な場合もあります。
これらのことを解決する一つの方法として、リバースモーゲージが考えられます。
90年、100年を自分の資産を有効に使って過ごす方法として、リバースモーゲージを検討してはいかがでしょうか。