外貨建て資産を運用してみませんか

前回(8/11)の記事では、国内資産での運用の難しさについて私の考えを示してみました。
国内資産でリスクを取らない運用では、リターンは得られない現状ですが、物価は確実に上がっているとの意見は結構あります。
目に見えないインフレ(ステルスインフレ)に対応するについて、国内資産に頼れないのであれば、運用を世界に拡げるほかありません。
ここでは外貨建て資産について学んで、運用の選択肢を考えてみましょう。

外貨建て金融商品の一般的な特徴


外貨建て資産には、次の3つの一般的な特徴が挙げられます。


・為替の変動によるリスク  
為替相場は日々変動するので、外貨建て資産は運用の元本がプラスになることがある一方で、相当のマイナスになることがあります

・金利や分配金が国内の基準や景況とは別次元


外貨建て資産(預金・債券・株式)の利息や配当・分配金は、国内の基準や景気動向とは別であり、債券の利率は比較にならない程高く、好業績を上げる企業も多数あります。当然為替レートの変動に伴う元本の増減がありますが、それ以上の可能性があると言えるでしょう。

・為替レートと手数料
外貨建て資産は、為替レートで評価されますが、実際に投資家が外貨建て資産を売買する場合は、市場の為替レートと外貨資産を扱う金融機関の手数料によって金額が決まります。

近年、手数料を含む為替レートは銀行間で大きな違いが出てきています。
特にネット銀行が外貨取引に注力しており、メガ銀行などの手数料の10分の1程度を設定しているものもあります。

取引窓口として外貨建て資産に強い銀行や証券会社を選ぶことによって、運用の可能性を高めることができるのではないでしょうか。

主な外貨建て金融資産の 種類と保有の実態
主な外貨建て資産としては、以下の5つがあります。
(1) 外貨預金 (2)外国株式(3)外国債(外債) (4)外国籍投資信託 
(5)外国為替証拠金取引(FX)

個人が保有しているリスク性金融商品は、最もウエイトが高いのは、①株式37%、②投資信託23%、③貯蓄性保険20%、④外貨預金 4%、④その他16%となっています。
*リスク性金融商品販売にかかる顧客意識調査について(※1)

株式や投資信託の中に海外株式や海外債券も含まれる部分はあるのでしょうが、外貨建て資産は極めて少ないことがわかります。

参考までに国が運用している年金積立管理運用独立法人(GPIF)の基本の資産配分は、外国株式25%、外国債券25%の合計50%(※2)となっています。

このような数値をみても、個人の資産運用を考える場合にも、外貨建て資産への配分比率を高めることも良いのではないでしょうか。

海外金融商品の運用の優位性
株式
20年以上の停滞を続ける日本と比較して、新興企業の生まれる数、成長の度合いなどは格段の差があり、ユニコーンと呼ばれる新興有力企業をはじめとして先進国、新興国共に株式市場の期待度は大きいものがあります。

債券
各国の国債には、国別に国債の格付けはあるものの、実際には2%~7%の利率で発行されるものがあり、為替レート変動を考慮しても投資運用の価値があるのではないでしょうか。また、上述のGPIFのポートフォリオを見ても、外貨建て資産の重要性は明らかです。

定期預金
外貨定期預金も0.2%~2%程度まで、為替リスクを勘案する必要はあるものの、国内銀行の利息とは比較にならないと言えます。

株価騰落と為替変動の比較
株式と外貨建て資産はどちらも変動の激しいリスクのある資産と考えられていますが、
この10年間の為替レートの変動幅と株価の騰落幅を比較してみましょう。
次の表の通り、為替レートの変動幅が小さくなっています。

まとめ
外貨建て資産の保有は、個人で外貨預金、外債、外国株式を保有するという選択と共に、
海外株式・債券を組み込んだ投資信託を保有する選択があります。

外貨建て商品イコール過去の円高の恐怖がよみがえることも多いのですが、外貨建て資産の保有は、株式関連資産と比較してもリスク度は決して高くないということを、データで見てみました。
統計上現れない物価の上昇(食品の単位量の減少や衣料などの素材質の変更)は明らかです。時代に対処するには外貨建て資産の運用が必要ではないでしょうか。


出典
(※1)金融庁 平成31年 リスク性金融商品販売にかかる顧客意識調査について 31P
 https://www.fsa.go.jp/news/30/20190409fd/01.pdf

(※2)年金積立金管理運用独立行政法人 基本ポートフォリオの変更についてhttps://www.gpif.go.jp/topics/Adoption%20of%20New%20Policy%20Portfolio_Jp_summary.pdf

2020年08月15日