株と投資信託の税金対策の選択

株や投資信託等の金融資産を運用する場合は税金のことを知っていることは大切です。
証券会社や銀行に口座を開く場合、すすめられる通りの設定を選択することも多いのですが、金融商品の税金についての知識を得て、自分で判断することが大切です。
ここでは、金融資産の運用と証券口座を持つ場合に、判断が必要な税金対策の選択について学んでみましょう。

税金対策には特定口座と一般口座のどちらが適しているか


証券会社や銀行に証券口座を開設する際には、特定口座と一般口座がありますが、普通は特定口座を選ぶことがほとんどと思われます。
特定口座と一般口座の違いは下表のとおりです。



最大の違いは、一般口座は確定申告に必要な譲渡損益と配当・分配金の年間取引報告書がないことです。

一方、特定口座は源泉徴収「あり」と「なし」の選択ができますが、年間取引報告が作成されますので、確定申告不要で済む場合も多く、確定申告提出の場合も簡単に行うことができます。

源泉徴収あり口座と源泉徴収なし口座は税金対策でどう違う


特定口座を開いた人の大半は源泉徴収有り口座を選択しているようですが、本格的に資産運用をする場合は、税金対策もありもう少し考慮が必要な点があります。

源泉徴収あり口座は上表にある通り、口座内の譲渡所得損益と配当・分配金の損益を通算した取引報告書が作成されます。

1年間に、譲渡益と譲渡損があり、さらに配当・分配金があった場合は、合算して利益または損失を算出します。
特定口座がひとつの金融機関のみの場合は、利益が出た時は申告をせずに済ませることも可能です。

特定口座の損益がマイナスの場合は、確定申告で翌年以降に損失を繰り越すため、確定申告をしておけば翌年の利益から控除されます。

また、複数の金融機関に特定口座がある場合は、合算するため確定申告が必要になります。

税金対策のための源泉徴収無し口座の使い方


株式や投資信託などを売り買いがある程度頻繁な人の場合は、源泉徴収無し口座が良いでのではないでしょうか。

株式投資は買い時と売り時がポイントです。利益確定売りを実行する時に源泉徴収による20%の課税は結構大きな金額と言えます。
譲渡益に10%の課税時代もありましたが、現在は20.315%になっており、相当手取りが変わってきます。

源泉徴収なしを選択した場合、本来源泉徴収される利益の20%相当分は、確定申告で納付が必要ですが、前年以前の繰り越し損がある場合は、源泉徴収無し口座が有利でしょう。

継続的に株や投信で運用している場合は、証券会社から提供される含み益を読み込んでいる場合が多いと想定されます。
その際課税分を差引きして金額を把握しないのが普通ですから、課税分20%を常に意識することが大切です。例えば100万円の含み益は実質80万円であるということです。

税金対策としての源泉分離課税か総合所得課税かの選択


上場株の売却益は分離課税ですが、上場株の配当等(投信の分配金含み)は源泉分離課税と総合所得課税の選択制になっています。
さらに、上場株の配当等は住民税の「申告不要」制度もからみ、所得金額によって課税額が変わるので面倒です。
ここでは、目安となる課税所得額を提示してみましょう。

源泉分離課税の所得税分は税率15.315%ですから、配当控除10%を差引きした13%(所得税率23%)の課税所得ラインが境目です。13%<15%ですから総合課税の
方が税率低い。

具体的には、課税所得額900万円以下になると総合課税が源泉分離課税より有利なります。課税所得金額は、家族構成やその他の所得控除によって多少金額は変わってきますが、給与収入額1200万円~1400万円となります。
この収入ライン以上の場合(課税所得900万円以上)は、源泉分離が有利になります

また、住民税は源泉分離課税では5%ですが総合課税では7.2%となるため、「申告不要」を申し出ることで5%のみで課税完了します。

株・投資信託の税金対策:NISA口座の使い方


NISA口座は年間120万円の非課税口座となっており、5年間継続できるので額面で最大600万円の非課税金融商品を保有できる制度です。

一般NISAの場合は、株式運用に利用するケースが多いと想定されますが、運悪くNISA口座の株式が含み損状態になると、損切によって一般口座の含み益株式の利益確定時の損益通算に使えなくなることがあります。

従って、NISA口座で保管する株式や投資信託は内容を吟味して入れることが大切です。

まとめ


口座開設時にはあまり深く考えないで選んだ
特定口座の源泉徴収あり、
確定申告時の源泉分離課税の選択、
NISA口座へ入れる銘柄
など投資運用を経験してみると、当初の選択が良い場合とそうでない場合があります。

特に源泉徴収ありを選択している場合は、年度中に源泉徴収の取引があると、その年は源泉なしへの変更はできませんので、年内に方針を決めておく必要があります

2021年09月05日